男性と女性の性欲の差について、もう少し詳しく説明したいと思います。
男性がオーガズムに達したかどうかは、ペニスの先から出される精液を見れば明らかです。一方で女性の場合はどうでしょうか?女性が男性の腕の中で身をよじり、演技できる次元を超えて喘いでいたとすれば、女性が快感を得ていることは間違いないと思います。
ただ、快感を得たかどうかではなく、質の問題としては疑問が残ります。男性と同じようなオーガズムに達していたかどうか、上の例からは分かるでしょうか。
男性の射精と比べて、女性のオーガズムを判断するのは難しい作業です。注意深く女性の行動や言動をうかがう必要があります。
女性の場合、オーガズムに達したように振る舞う、いわゆる「イったフリ」をする方がいます。
10代から60代の女性を対象に行なった調査では、年代を問わず半数以上の女性が「絶頂に達したように振る舞ったことがある」と答えています。
多くの女性がイったフリをしている
女性の中には、実は一度もイったことがないのに、ずっとイったふりをしている方がいらっしゃいます。女性の多くがイったふりをしているというのは、男性からするとショッキングな調査結果かもしれません。
女性も演技をしたくてしているわけではありません。
彼氏が、彼女のことを思いやって一生懸命頑張ってくれて、腰を動かしている恋人の気持ちに応えたくて、女性達は絶頂を迎えたかのように演じてしまうというのはよくあることです。相手を悦ばせたいがための演技は、愛情表現の一つとも捉えることができます。
実際、女性は強い快感が伴わなくても、恋人と裸で抱き合っているだけで幸福感に満たされるという調査も出ています。
心身の健康に役立つオーガズム
確かに、オーガズムは経験しなくても生きていくことはできます。生活に必要不可欠なものではありません。
ただそれがあれば、心身の健康はより充実するだけでなく、今以上に強い満足感や幸福感を得られることになり、生活全体の満足度レベルもアップします。
身体的にも精神的にも満たされるセックスは、ハリのある充実した毎日に繋がり、長期的に見ればストレスも軽減されることが西洋医学の世界では通説となっています。
オーガズムは体の健康とも深い関わりがあります。
気圧や体調の変化により、頭痛で悩む女性は少なくありません。月に数回頭の一部やこめかみ等がズキズキと痛み、仕事に集中できないという症状に悩まされたことはないでしょうか?
そのような頭痛の症状が、オーガズムを得ることで軽減されるということが近年の研究によって分かっています。頭痛薬に頼るよりも、セックスを通じて得るオーガズムの方が早く痛みに効き、体調の回復も早いというのだから驚きの結果です。オーガズムを経験している女性は子宮の病気にかかりにくいという報告もあります。
上記のような事例は十分解明されていませんが、いずれにしても女性の体とオーガズムに密接な関わりがあることは、多くの研究の結果から明らかになっています。
話は変わりますが、セックスの充実感に満たされた後は一気に疲れてぐっすり眠たくなった、という経験はないでしょうか。
オーガズムで絶頂に達することは、入眠作用も伴います。セックスで絶頂に達した幸福感でいっぱいになりながら、深く安らかな睡眠にたどり着き、翌朝爽やかに目覚めることができるというのは、精神的にも身体的にも良さそうですよね。
オーガズムに達することにより心身の健康が向上する現象は女性に限った話ではありません。男性も同様にオーガズムや絶頂に達することは、身体に良い影響をもたらします。
研究結果ではマスターベーションにより週に2回以上射精をしている人と、月に1回射精をしている人とでは、後者の方が前立腺がんにかかる確率が高いというデータが出ています。
また、オーガズムに達することでDHEAというホルモンが分泌され、心臓病などのリスクが下がるということも最近の研究でわかっています。
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)とは、別名「若返りホルモン」とも言われ、ダイエットやアンチエンジングの分野で何度か話題になっています。DHEAの分泌を増やすためには「適度な運動を行うこと」「飲酒量を減らすこと」「シータ波を出すこと」と言われています。
最後のシータ波だけちょっとピンと来ないと思いますが(笑)、このシータ波はオーガズムに達することによって盛んに分泌されるようになります。また、DHEAは性的刺激によって分泌されますが、同時に性的刺激を促進します。
つまり、セックスでシータ波が出てDHEAが分泌されると、どんどん感じるようになります。「連続イキ」「連続オーガズム」という言葉がありますが、何度も強い快感を得る現象には、このDHEAが深く関係しています。連続で快感を得ることは高度なテクニックのように思えますが、実際には「波にのってしまえばこっちのもの」という現象のようですね。
皆さんのイメージでは、セックスで絶頂に達することやオーガズムでイくことに関してどのように思われていたでしょうか。
何か神秘的なもののように感じていたかもしれません。
オーガズムに達するということは、セックスを通じて二人の愛情をより深いものにするだけでなく、男女両方により豊かな心身の健康をもたらします。
オーガズムや絶頂を追求することは決して恥ずかしいことではなく、むしろ健全であり健やかな毎日の生活を促すために必要な行為ということが、分かっていただけるかと思います。
残念なのは、女性のオーガズム未経験率の多さです。女性は約60%がオーガズム未経験であるという調査も出ています。
女性がオーガズムや絶頂に達するということは難しいものなのでしょうか。さらに言うと、女性の体質として「イける」「イけない」という現象に、個人差はあるものなのでしょうか。
すべての女性はイける可能性を備えている
最近の研究では、女性がオーガズムに達しないのは障害の一つであると指摘されています。逆に言えば、障害を克服すれば、すべての女性はイける可能性を備えています。
十分セックスの回数や経験があって、どうしても絶頂やオーガズムを体験できていないとすれば、それは気持ちの上で何か不安な精神的な問題があるか、またはパートナーである彼氏や旦那様の愛撫の仕方やセックスの進め方に問題があるのだと思います。
この世の中には、本を手にとってみても、インターネットでセックスに関する情報を検索してみても、セックスでより強い快感を得るためのテクニックやノウハウブログなどが溢れています。ただ、それらの大半が男性目線で書かれたものであり、女性の体の構造や快感の仕組みについて、事実とは違う表現がたくさん並んでいます。
自信だけはある男性が、オラオラした態度でセックスに臨んでくるのであれば、まだ改善の余地はあるかもしれません。でも、現実的にそんな男性は相手にしたくないですよね。でも、パートナーを気持ち良くしたいと思い張り切っている彼氏や旦那様を前にすると、不快感や不満を口にすることもできず、結果的に、感じている演技をしながら、自分をごまかして、自分からオーガズムから遠ざかってしまうことはあるかもしれません。
こうした演技はパートナーや限られた一人に限定し、長期的な関係を構築すればするほど長く続き、無意識のうちに精神的な負担やストレスも溜まっていきます。そのうちに女性自身の感情から「まあセックスはこんなものなのかもしれない。」「そこそこ気持ちいいし今の関係を壊したくないしこれはこれで良いか」という、諦めや妥協のようなものが生まれてきます。その結果、積もり積もったのが先程の調査の、満足したことがないと答え、演技をする多くの方々です。
男性の立場からしたら、恋人にそんな悲しい思いやストレスを背負いながら、自分とセックスをして欲しいと思う人はいないはずです。しかし、こうした悪循環から抜け出すために必要なのは当然、信頼関係と正しいセックスのテクニックです。女性のパートナーに辛い思いをさせ、イったふりをさせ、メンタルを傷つけるような愛撫やテクニックを進める男性は、すぐにそれをやめましょう。愛情を持つのは前提として、正しい方法で愛撫や手順を考えて、相手を気持ちよくさせれば、二人の関係も必ず改善され、より充実した人生を送ることはできるはずです。
ご自身の性生活に悩んでいらっしゃる女性の方にお伝えしたいことは、その性の悩みは、決してあなただけに限ったことではありません。多くの方が絶頂の出し方が分からないですし、正しくエスコートし実践してくれる男性もいないまま今に至っている状態です。
私はそんな悩みの女性の方に、オーガズムを感じて欲しいと本気で考えています。それは一生の経験であり一生の財産になります。