Gスポットとは何か?そのしくみや愛撫方法、潮吹きの必要性について

女性の身体には、オーガズムへ誘う秘密のボタンがあるといわれています。このボタンが刺激されると、短時間で快楽を感じ始め、オーガズムへと導くボタンだとされています。Gスポットは、そのような秘密のボタンとして捉えられています。

しかし、Gスポットの位置や性質について、男性・女性問わず正確に答えられる人は稀です。
ここで、Gスポットがどのようなものであるのか今一度考え直して、Gスポットが、どれだけセックスの際のオーガズムでカギとなるのかを確認してみましょう。

Gスポットの歴史

Gスポットを見つけ出したのは、20世紀半ばに活動していたドイツ人医者エルンスト・グレフェンベルクでした。
彼の業績を称えるため、1981年に彼のイニシャルを元にGスポットと名づけられたのです。
人類史において、Gスポットが明らかになったのは歴史の流れのなかではつい最近のことと言えます。
それ以降、科学や医学の視点から数多くの研究が実施され議論が繰り広げられていますが、Gスポットの正体は今もなお完全には明らかになっていないのです。

ここで、現時点で最も説得力のある見解をご紹介しましょう。
それは、Gスポットはクリトリスの一部であるという考え方です。

ただ、この説明だけでは理解しにくい方も多いでしょう。「Gスポットは膣内にあるはずでは?」「クリトリスと膣は離れているのでは?」といった疑問もうかびます。

Gスポットを理解するには、まずクリトリスについて知ることが大切です。私たちが見ているクリトリスは、クリトリスのごく一部であり、陰核亀頭と呼ばれる部分です。
これは男性のペニスに相当する部分で、ペニスとクリトリスは発生学的に同じ器官です。受精卵が成長し、男性か女性かによって異なる器官に分化する際、その構造や刺激に対する反応は非常に類似しています。

このような前提を踏まえると、Gスポットがクリトリスの一部であるという考えは理解しやすくなります。膣内に位置するとされるGスポットも、実際にはクリトリスと密接に関連していることが分かります。
セックスの際、オーガズムに至る刺激が与えられる場所として、Gスポットの存在は非常に興味深いものです。

男性が性的な喜びを感じると、ペニスは硬く膨らみます。多くの人が勃起という現象を認識していますが、これは海綿体への血液の流入によって発生します。
ペニスには3つの海綿体があります。「亀頭海綿体」「陰茎海綿体」「尿道海綿体」。それぞれは球状の海綿体筋に包まれています。

海綿体とはスポンジのような組織で、通常は空洞の状態です。
しかし、ペニスを摩擦したり、女性の膣に挿入して刺激すると、血液が急激に流れ込み、大きく膨らむのです。
さらに、海綿体は神経で覆われているため、刺激が伝わると男性は快感を得ることができます。

女性のクリトリスにも、海綿体が存在します。
クリトリスの先端、陰核亀頭を刺激すると、可愛らしくぷっくりと膨らみます。これは男性のペニスと同じように、海綿体に血液が流れ込んで充血しているからです。
海綿体を取り囲む神経もペニスと同様で、クリトリスの小さな部分には非常に多くの神経が集中しています。ペニスの亀頭と同じ程度の神経数があるにもかかわらず、ペニスの方が大きいので密度は低くなります。
クリトリスが非常に敏感な器官であり、ほんの少しの刺激でオーガズムに達する人がいるのも理解できます。

クリトリスは、快感を引き起こす以外には特別な機能はありません。
しかし、クリトリスによる快感が女性に性行為への積極的に促し、それが子作りにつながるという考え方もできます。クリトリスに多くの神経が集まっているのは、種の継承を促すための装置とも言えるでしょう。

ここまでで、クリトリスは海綿体の集合体であると書きました。Gスポットに話を戻しましょう。
先に述べた通り、Gスポットが実はクリトリスの一部であるという説が主流です。刺激を受けることで海綿体が充血し、膨らみ、周囲の神経が反応して快感を感じることができるのが、Gスポットの仕組みです。

従って、Gスポットは膣内にはなく、膣の外側に位置しています。
ただし、膣に非常に近いため、Gスポットを刺激するには、指やペニスを膣内に挿入してからアプローチする必要があります。
その位置は、膣口と子宮のちょうど中間とされています。膣の長さは平均で約8cm、長い人でも10cmほどとされているため、中指を挿入し、第一関節を軽く曲げる位置が目安となるでしょう。

最初に挙げた疑問を振り返りましょう。果たしてGスポットは、快感を引き起こすスイッチなのでしょうか。
Gスポットはクリトリスの一部として、特別な機能は持っていません。ただ、快感を感じるための器官にすぎません。
そう考えると、「快感のスイッチ」という言葉は、Gスポットを表現するものとして意外と適切かもしれません。

しかし、オーガズム自体は、そう簡単に起こる現象ではありません。
膣の壁を強く擦って刺激を与えようとするのは絶対にダメです。女性は優しい愛撫がなければオーガズムどころか、快感すら感じることができません。
乱暴な愛撫はやめて、指の腹を使ってゆっくりと触れてみてください。重要なのは、女性が感じ始めてもリズムを一定に保つことです。
気持ちよくなってきた途中でリズムが変わってしまうと、オーガズムが遠のいてしまいます。一定のリズムでGスポットを刺激し続けることで、女性は徐々にクライマックスへと向かっていくでしょう。

Gスポットは全ての人に存在するのか?

2010年にイギリスのキングスカレッジの研究チームが、Gスポットに関する興味深い研究論文を発表しました。
様々な年代の女性双子を対象に、Gスポットが全ての人に存在するのかどうかを調べたものです。
女性には膣内オーガズムを経験する人と、そうでない人がいます。その理由を考える際、全ての女性にGスポットが存在するわけではないのではないか?という仮説が浮上します。

論文によれば、5%の女性が自分にGスポットが「存在すると思う」と回答し、残りの女性は「存在しないと思う」と回答しました。
ただし、調査方法は、対象者に「Gスポット」という言葉を使わずにいくつかの質問をし、「自分にGスポットがあると思う」または「ないと思う」のどちらかを自己申告させるもので、非常に主観的な内容となっています。
そのため、調査結果の信頼性は高いとは言えません。なぜなら、「自分にはGスポットが絶対にある!」と確信できる人のほうが圧倒的に少ないからです。

研究はさらに進んで、オーガズムを経験した女性はどのくらいいるのかという問題に発展しました。
驚くべきことに、「Gスポットがないと思う」と回答していた人の約30%が、オーガズム体験があると答えています。
このことから論文は、Gスポットと膣内オーガズムの間には、関連性がないのではないか?と疑問を投げかけています。

しかし、「膣内オーガズム」と一言で言っても、Gスポット以外にポルチオ(子宮頸部)でのオーガズムも存在するため、この結論は少し短絡的な印象を与えます。
とはいえ、世界の性科学研究者たちは、「Gスポットがいる人も、いない人もいる」という方向性に関しては、納得の傾向にあります。

では、なぜGスポットがある人とない人に分かれるのでしょうか?
キングスカレッジの研究チームは、Gスポットの有無に関する新たな疑問に答えを見つけるために、調査を続けました。
その方法は、一卵性双子女性と二卵性双子女性にGスポットの有無について尋ね、それぞれの回答が占める割合を比較するものです。

その結果、一卵性双子で「二人ともGスポットがある」と答えたり、「片方だけGスポットがある」と答えた割合と、二卵性双子で同様の回答があった割合の間には、ほとんど差が見られませんでした。
一卵性双子は遺伝的に同じ特性を持ち、二卵性双子は異なる特性を持ちますが、これは、Gスポットの有無は遺伝によって決まるものではないことを示唆しています。

今後、Gスポットの有無に関する研究は、さまざまな角度から進展していくでしょう。
例えば、Gスポットがないにもかかわらず膣内オーガズムができる理由や、Gスポットの有無が感度やセックスへの積極性に影響を与えるかどうかなどです。

Gスポットの存在については、膣組織の一部を検査しても神経が集中している部位が明確に確認できないことから、「神話」と考える研究者も少なくありません。
謎に包まれた性感帯であるGスポットの解明に向けた世界各地の研究に、今後も注目していきたいと思います。

潮吹きと快感の誤解

Gスポットは、快感のスイッチであるとともに、「潮吹き」を引き起こすトリガーのようにも思われがちです。
アダルトDVDなどでオーガズムに達した女性の性器から液体が勢いよく噴き出る映像を見たことがある男性もいるでしょう。ここには、二つの大きな誤解があります。

一つ目の誤解は、勢いよく噴き出される液体が「潮」ではなく、尿の一種であることです。
その根拠として、この液体は尿道から放出されています。男性にとっては膣から出ているように見えるかもしれませんが、実際には両者は非常に近い位置にあるため、見間違えているだけです。

潮吹きを引き起こすとされる方法は、Gスポットを1本あるいは2本の指で強く摩擦するテクニックがほとんどです。
既に説明したように、Gスポットはクリトリスの一部で膣に近い場所に位置していますが、同時に尿道の近くにもあります。

膣内からGスポットを乱暴に刺激すると、尿道や膀胱の下部をみやみに刺激されることになります。
その結果、尿が異常に噴出しているだけです。
そして、ここに二つ目の誤解があります。無理矢理に尿を噴出させることは、オーガズムからは程遠く、快感すら感じられません。

ただし、「潮」と称される液体が分泌されること自体は事実です。

実際の「潮」は、実はもっと控えめな現象です。指で刺激されている間に、僅かな量の液体が漏れる程度で、女性自身が「今潮吹きをした」と自覚しないこともあります。
性科学の世界では、この液体は膣内に存在する「女性前立腺」と呼ばれる部位から出ているという説が最も支持されています。
「スキーン腺」とも呼ばれることがありますが、ここでは女性前立腺という名前で説明します。

長年、前立腺は男性特有の器官だとされてきました。その役割は、精液に運動エネルギーを与える前立腺液を分泌し、精液を力強く放出させることです。
これを考慮すると、女性には必要のない器官であることがわかります。では、なぜ女性にも前立腺があるのでしょうか?これには謎が残りますが、男性の身体にも子宮の痕跡があるように、人間の身体には未だ未知の領域が多く存在しています。

膣を愛撫する際に、女性前立腺も同時に刺激されます。
その時に分泌される液体、つまり前立腺液が、「潮」の正体です。

尿道から噴出する潮との共通点があるとすれば、前立腺液を分泌することが、女性にとって快感でも何でもないということです。
解剖学の権威である橋本一成先生は、独自の調査により、女性前立腺から潮吹きを経験する女性の割合が20%未満であるとしています。

この割合を高いと感じるか低いと感じるかは人によると思います。
潮吹きを追求するあまりに過剰な強い愛撫を行っている男性がいたら、すぐにやめることをお勧めします。
膣内を強くこすられても、女性にとっては痛みしか感じません。信頼できるパートナーであれば、女性が痛みで顔を歪めているのか、快感で顔を歪めているのか、見極められるはずです。
女性に苦痛を与えてまで潮吹きをさせる行為が、二人のセックスにとって本当に必要なことなのか、再考が必要です。

自分の性器を観察しましょう

あなたは、自分の性器についてどれほど理解していますか?
たくさんの臓器の中で唯一、他人と結びつくのが性器です。そして、二人で性器を繋げてオーガズムを感じるためには、「パートナーに伝える」という行為が重要です。
どの部分に触れて欲しいか、逆にどの部分に触れないでほしいかをうまく伝えるためには、自分の性器に関する知識が必要です。

そこで、まず自分の性器を観察してみましょう。男性は性器が外に露出しているため、自分のものを見たことがないという人はほとんどいないでしょうが、女性にとっては問題です。
可能でしたら、鏡を使って自分の性器と向き合ってみてください。最初に見えるのは大陰唇ですが、指でそれを開くと小陰唇やクリトリス、尿道が見えてきます。さらに、会陰や肛門の位置も確認しましょう。

続いて、快感のポイントを把握しましょう。クリトリスの位置を正確に理解していますか?
驚くべきことに、クリトリスの位置を正しく知らない男性は案外多いものです。クリトリスを刺激しているつもりでも、実際には恥骨を強く押していたり、無闇に尿道口周辺をこすっていたりと、見当違いの場所に触れていることがあります。このような知識不足により、焦らされたり痛みを感じる女性も多くいらっしゃいます。

確かに、クリトリスは見つけにくい箇所に位置しています。女性器の構造は一見してわかりにくいため、クリトリスの位置が分からない男性に対しては、女性が驚くことなく、丁寧に教えてあげましょう。

クリトリスは恥骨の下付近にあり、左右の小陰唇が繋がる部分に位置しています。小さな突起状ではありますが、普段はシワシワの包皮に覆われ、保護されています。
男性の手をとり、自分の手で案内するのも良い方法です。「もっと上の方」「膨らんでいる場所だよ」といった言葉で説明することで、男性の理解も早まります。

さらなるスキルアップを目指す女性は、外陰部だけでなく膣内もチェックしてみましょう。
もちろん目視はできませんが、自分の指を使って、Gスポットを探ることができます。これによって、オーガズムを追求する際の助けとなるでしょう。

シンガポールのGスポット研究の専門家は、Gスポットの探し方として、「仰向けになり、2本の指を挿入して曲げる」と説明しています。1本の指でも構いませんが、リラックスした姿勢で行うと、見つけやすくなるでしょう。
指を挿入した後、徐々に位置を変えながら、指の腹で膣壁を押すようにして探ります。特定のポイントで「ここだ!」と感じたら、そのまま刺激を続けてください。この場所を覚えておき、セックスの際にパートナーにうまく伝えられるようになれば、上級者と言えます。

性器の観察は、異常がある場合にも役立ちます。普段より赤みがある、発疹ができている、腫れているなどの状態は、正常時を知らなければ判断できません。
また、恥垢がたまっていないか確認することもできるため、清潔な状態を維持するにも効果的です。
自分の体を大切にするなら、定期的に性器をチェックする習慣を身につけましょう。ひいては、オーガズムを追求する際にも役立ちます。

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