ホルモンが引き起こす男女の発情スイッチの違い

これまでにセックスの悩み相談を受けたり、女性の応募者と話していると、自分の性器の構造をよく理解していない女性が非常に多いと感じます。
女性器について話すと、「大陰唇ってどこですか?」「クリトリスに皮があるんですか?」といった質問をよく受けます。

逆に質問したいのですが、自分でも構造がよくわからない性器の愛撫を男性に任せてしまうのは不安ではないですか?
男性器は身体の外側に出ているため普通の体勢で見ることができますが、女性器はそうではありません。女性が自分の女性器を見るには、でんぐり返りをしたり、鏡を使ったりするしかありません。この構造のため、女性器はセックス以外ではあまり目にすることがないのです。

初めての女性器との対面

私が初めて自分の女性器を見たのは、高校2年の時でした。初めて見る女性器は「複雑で奇妙」なものでした。特に「グロい」とは思いませんでしたが、「見てもよくわからない」という感想を持ったのを覚えています。自分の女性器がどんな形をしているのかわからないという女性は、この機会に手鏡を使って確認してみましょう。

お肌のお手入れをするように、女性器の状態を見て触れて確認することは、より良いセックスをするために重要です。

男性へのアドバイス

男性の皆さんにおかれましては、女性器を持っている女性自身でさえ「構造がよくわからない」というのですから、男性にとってはなおさらのことだと思います。
女性経験があっても、「ここら辺がクリトリスだろう」と手探りで女性器を愛撫している男性も多いはずです。
しかしそれでは、「彼の愛撫は的外れで気持ちよくなれない」「彼は女性器の扱いが雑で嫌だ」という評価になり、「セックスが下手」という烙印を押されてしまいます。

男性は、女性器の構造をしっかり理解して、セックスに臨みましょう。ただし、女性に「あそこをよく見せて」とストレートに言うと、恥ずかしがられてしまうので、太ももの内側にキスをしながらさりげなくチェックすることをおすすめします。

性器の仕組みを学び直そう

女性器の構造

性器は、外性器と内性器の2つに分かれています。外性器とは、クリトリスや大陰唇、小陰唇などからなる外に露出した部分のことです。小陰唇は、ひだひだの部分で、性的に刺激を受けて興奮すると、充血して膨らみ、花びらが開くように広がります。大陰唇は、小陰唇の外側のぷっくりした部分で、挿入時の衝撃を和らげるクッションの役割を果たしています。

小陰唇の上の端に位置するのがクリトリスで、神経が集中している非常にデリケートな部分です。性的興奮と刺激が加わると、充血して勃起します。最もオーガズムを感じやすい性感帯といわれています。通常、クリトリスは包皮に覆われていますが、勃起時に指の腹で触れると硬くなるのがわかります。

一方、目に見えない内側の部分を内性器と呼びます。膣口から内部へ繋がる膣の長さは、成人女性では7〜8cmほどで、性的興奮時には膣の奥が広がり11cmほどの長さになります。膣や子宮付近には、Gスポットやポルチオという2大性感帯があるので、仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

男性器の構造

男性器は、ペニスや竿と呼ばれる陰茎と、玉袋とも呼ばれる陰嚢から成り立ち、女性器に比べて非常にシンプルな構造をしています。ペニスは海綿体と呼ばれる組織でできており、興奮するとこの海綿体に血液が充満して、水を吸ったスポンジのように膨らみ、勃起します。

ペニスの中心部には尿道が通っていて、尿や精液はここを通って体外に放出されます。男性は、尿も精液も同じところから出るのです。ちなみに、性的興奮で勃起している時は、尿が出ないような仕組みになっています。勃起していないペニスに触ってみると、低反発枕のような、大福もちのような癒し系の質感です。陰嚢の中には、精子を作る2つの精巣(睾丸)が入っています。

男性の発情に関するホルモンの影響

小さなホルモンが引き起こす、男女の発情スイッチの大きな違いについて考えてみましょう。性に関する雑誌を比較すると、男女のセックスに対する考え方の違いが明らかになります。例えば、「相手をその気にさせる方法」について、女性誌では「胸の谷間や腰のくびれを強調する服を着る」「彼の隣にぴったり寄り添って甘える」といった古典的な方法が紹介されています。男性をその気にさせる方法はシンプルで明快です。

男性誌に見る発情の方法

一方、男性誌では「『あなたとしたい!』とお願いする」「お酒を飲ませて終電を逃させる」「さりげなくホテル街を歩く」「良い香りの香水をつける」「マッサージをしてあげる」などが挙げられています。中には「女性をおんぶする」「フランクフルトを見せて『これ、エロくない?』とアピールする」といった大胆な方法もあります。これを実際に試す男性がいるかは不明ですが、男性が女性をその気にさせたい時は、自分が発情している時であることが多いです。そのため、様々な方法で女性をその気にさせようとします。

ホルモンが引き起こす発情の違い

男女の発情にはホルモンが深く関係しており、小さなホルモンが引き起こす男女の発情スイッチの大きな違いを理解しましょう。

テストステロンの役割

男性の発情ホルモンである「テストステロン」は、性の発情に深く関わっています。テストステロンは、男性が発情する際に精巣から分泌されるホルモンで、胎児がお母さんのお腹の中にいる時から分泌が始まります。妊娠3か月目で男女の性器が形成される頃、男の胎児の精巣からテストステロンが大量に分泌され、脳と全身にシャワーのように浴びせられます。これを「ホルモンシャワー」と呼び、このシャワーを浴びることで脳が男性化します。

大人の男性への影響

テストステロンは、大人になった男性にも影響を与え続けます。テストステロンが分泌されるのは、「視覚的刺激を受けた時」と「身の危険を感じた時」です。視覚的刺激とは、「AVやヌードグラビアを見た時」「露出の多い女性を街で見かけた時」などです。「身の危険を感じた時」は、「格闘技やレースを観た時」「スポーツをしている時」「空腹時」などで、バーチャルかリアルかは関係なく、脳が戦闘モードに入った時に分泌されます。

ドーパミンとの関係

テストステロンの分泌を脳が感じると、脳内にやる気ホルモン「ドーパミン」が分泌されます。ドーパミンが分泌されると、意欲が湧き、集中力が上がり、感動する状態になり、生きるモチベーションが上がります。一度味わったその快感を繰り返そうとする性質から、ドーパミンは「脳内麻薬」とも呼ばれます。酒、タバコ、ドラッグなどを止めたくても止められないのは、このドーパミンの影響です。ドーパミンの引き金になるのがテストステロンです。

テストステロンの影響と社会的現象

モーターショーにレースクイーン、レスリングにラウンドガールがつきものなのは、テストステロンで購買意欲や闘争心に火をつけているのかもしれません。そして、そのテストステロンは、相手に対して恋愛感情がない場合でも、興奮や性欲を感じれば分泌し、その後も分泌し続けます。これが、男性の発情のメカニズムです。

女性の発情に関与するホルモン

女性の発情に関与するホルモンには、「エストロゲン」と「オキシトシン」があります。性の発情スイッチを操作する重要な要素は、女性ホルモンの「エストロゲン」と幸福ホルモンの「オキシトシン」です。まず、女性ホルモンについて理解を深めましょう。

エストロゲンとプロゲステロン

女性の性欲に関連するホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。エストロゲンは、女性らしさを象徴するホルモンで、女性らしい体型を形成し、髪や肌に艶を与えます。もう一つの「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は、妊娠を維持する役割を持つホルモンです。健康な女性は、エストロゲンとプロゲステロンが一定のサイクルで増減を繰り返しています。

月経周期とホルモンの変化

月経中は出血があり、身体が重く感じる時期で、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が低下します。この時期の性行為は、気が進まないことが多く、衛生面や体調を考慮するとおすすめできません。
月経後は、エストロゲンが優位になる卵胞期で、体調も気分も良好です。「生理後に性欲が増す」と感じる女性が多いのは、エストロゲンの影響です。女性は、エストロゲンの分泌によって、自然に性欲が高まります。

排卵期には、卵巣で成熟した卵子が子宮に向かい、排卵前後の4〜5日間が妊娠しやすい時期です。排卵後は黄体期で、プロゲステロンが多く分泌され、気分や体調が不安定になります。月経前に起こる様々な不調をPMS(月経前症候群)と呼び、この時期は性欲も低下します。
下のグラフのように、2つのホルモンのバランスが崩れると、月経周期が乱れ、性欲も低下しやすくなります。

オキシトシンの役割

発情のもう一つのカギを握るホルモンは「オキシトシン」です。オキシトシンは、心地よい肌の触れ合いをしている時や、出産時、母親が赤ちゃんに授乳している時に分泌されます。
女性が性行為をしたくなる状況は、「ほどよく酔っている時」「いちゃいちゃしている時」「一人で寂しい時」「お風呂上がり」「暇な時」など、リラックスしていて時間に追われていない時です。そこに、「見つめられる」「頭を撫でられる」「突然キスされる」「抱きしめられる」「腰に手を回される」といったスキンシップによる物理的な刺激が加わることで、徐々に発情します。

男性と女性の発情スイッチの違い

男性が裸になって「どうだ、ムラムラするだろう?」と言っても効果がないのは、発情スイッチが異なるからです。男性は、セクシーなものを見ただけで発情スイッチが簡単に入る単純な仕組みですが、女性の場合はもう少し複雑で、スイッチが入るまでに時間がかかります。
男性は、先に性欲が高まっても、彼女が追いつくまで少し待ってあげてください。興奮のペースを合わせてから性行為を始めることで、その後の満足度が大きく向上します。

女性の潤うメカニズムを理解しよう

エッチな想像をすると、女性の体は自然と潤い、セックスの際には「もうこんなにぐちょぐちょだよ」と耳元で囁かれるほどに愛液が溢れ出すことがあります。この潤い具合が、女性が感じているかどうかの指標とされることもありますが、これは大きな誤解です。愛液はどこから、何のために出ているのか知っていますか?

愛液の正体とは?

愛液の正式名称は「膣分泌液」と呼ばれます。膣分泌液は、膣の入り口付近から分泌されるバルトリン腺液、膣壁からの分泌液、子宮頸管からの粘液、そして汗など、複数の分泌液が混ざってできていると言われています。誤解されやすい女性の「潤う」メカニズムを正しく理解しましょう。

セックスの始まりと潤いのメカニズム

セックスの始まりで、キスや肌の触れ合いがあると、発情ホルモン「オキシトシン」が脳を刺激し、性欲を感じます。そして、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態になります。副交感神経は、寝ている時やリラックスしている時、安心感を感じている時に働く自律神経です。

リラックスした状態に、心理的刺激や性感帯への物理的刺激が加わると、興奮状態になり、骨盤内の血流が増加し、性器が充血します。このタイミングで愛液が分泌され、ペニスの受け入れ準備が整います。愛液は、ペニスの挿入をスムーズにする天然の潤滑剤で、その最大の目的は、受精しやすくするためにペニスを迎え入れ、精子を運ぶことです。

自己防衛システムとしての潤い

実は、本来の目的以外に自己防衛システムとして潤うこともあります。「局所反応」と呼ばれ、膣に異物が入ってきた時に膣が傷つかないように、脳が緊急自衛モードになり愛液を分泌するのです。極端な例ですが、無理やりのセックスでも身体を守るために女性は潤います。

男性の皆さん、「嫌がっているのに、身体は正直だぜ…」なんてAVのように誤解しないように!この「潤いやすい、潤いにくい」は、「汗っかきか、そうでないか」と同じように個人差があります。潤いやすい女性からは「潤いやすいから彼がすぐに挿入しようとする」と、男性の手抜きを指摘する声もあります。「潤っている=早く挿入してほしい」という考えは、一度リセットしましょう。

愛液の量と気持ちよさの関係

とはいえ、愛液の量と気持ちよさが全く関係ないわけではありません。大好きな人にたっぷり愛撫されれば、驚くほど愛液の量が増えます。愛液を増やす裏技として、セックス前に水を多めに飲んでおくことが挙げられます。これは、AV女優が撮影中に「潮を吹く」ために行っていることです。彼女たちは、数リットルの水やスポーツドリンクを飲むそうです。

潤いにくい原因と対策

いずれにしても、愛液も体液の一種なので、身体の水分量が少ないと膣の潤いも不十分になると考えられます。膣分泌液の粘度や分泌量、色、匂いは個人差がありますが、「刺激臭や腐敗臭がする」「黄色みがかったり、青みがかっている」場合は、性感染症の可能性もあるので、速やかに婦人科での診察を受けましょう。

潤いにくい原因のほとんどが、「リラックス」と「興奮」が不十分なことが原因です。これには「自律神経」が深く関わっています。自律神経は、リラックスの副交感神経と興奮の交感神経の2つから成り立っています。セックスは、副交感神経が優位でないと成り立たないので、緊張していたり、ストレスを感じたりしていると、潤いにくくなります。

セックス中にこの2つの切り替えがうまくできずに、「潤いにくい」と訴える女性が多いのです。これは男性にも言えることで、男性の場合は勃起しにくくなります。

現代人の自律神経の乱れとその対策

現代人は、不規則な生活、過労、睡眠不足、冷え、呼吸が浅くなっていることなどが原因で自律神経が乱れがちです。ちなみに、自律神経を一番乱すのは「睡眠不足」です。副交感神経をスピーディーに優位にしてくれるのは「呼吸法」です。普段からストレスケアをして、リラックスを心がけることが、気持ちいいセックスに通じるのです。

まとめ

この記事では、性器の構造や性に関するホルモンの影響について詳しく解説しました。
女性が自分の性器の構造を理解することの重要性や、男性が女性器を正しく理解することの必要性が強調されています。

また、男女の発情に関与するホルモンの違いについても触れられ、特にテストステロンとエストロゲン、オキシトシンの役割が説明されています。
さらに、女性の潤いのメカニズムについても詳しく解説され、愛液の分泌が必ずしも性的興奮の指標ではないことが指摘されています。
この記事を通じて、性に関する知識を深め、より良いセックスライフを送るための学びがあれば幸いです。

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